スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

フリーソフトをはしごして歯車の強度解析_2

今日は昨日の続き.
CADソフトで作った3Dの歯車をFEM(有限要素法)解析します。
使うソフトはZ88-Aurora
質実剛健のドイツ製.(ソフト本体+マニュアルは英語なので理解は遅いですがドイツ語よりマシです.)

このソフトの特徴は以下:
・1部品のみの2次元・3次元静解析が可能.メッシュ制限なし.
・プリプロセッサ・ソルバー・ポストプロセッサがWindowsアプリ上に統合されマウス操作のみで入力から結果まで完結

自分が会社で使っている商用ソフト(Ansysとか)に比べるとやや専門的な知識を要求しますが,操作自体はまずまず簡単です.


このソフトにインポートする前に,まずはSTLデータをビューワで確認します.


フリーのHira-3D-Veiwerで歯車の3Dデータを開き,ポリゴンに穴や裏返り等の破綻がないか,
ソリッド判定で形状が閉じているかどうか確認します.

閉じていないサーフェスモデルは解析することができません.
また,極端にポリゴンが複雑だとインポートでエラーになります.

Z88-Auroraをインストールして起動します.Dos窓にメッセージが出た後Windowsアプリが立ち上がるハズです.
もしWindows7でうまく起動できない場合はAdministratorモードでログインするとうまくいくかもしれません.


起動して最初の1回だけ,内部モジュールへのPASSを指定する作業が必要になります.
図の4カ所の部分を設定します.(その下は無視してO.K)


STLモデルをインポートします.図のモデルは歯車の1/4のモデルになっています.これは計算負荷を軽くするためです.
FEM解析では応力がほとんど発生しない部分や繰り返し形状等はできるだけ計算から除外するのが普通です.
モデルをインポートしたらマウスでグリグリ動かしてみましょう.
左ドラッグで平行移動
右ドラッグで回転
ホイールスクロールで拡大縮小
です.


左上に並んでいるアイコンの中から[PreProceser]ボタンを押してメッシュや境界条件の設定を行います.
右側に並ぶボタンの内,上から2番目のFree-Mesh Tetrahedron(4面体メッシュ)を押します.



モデルの下側にメッシュ生成の画面が出るので図のように設定してメッシュ切りを行います.
ここで,メッシュの種類や生成アルゴリズムによって結果が大きく変わることがあるのですが,
とりあえず[Netgen]を押してデフォルトのままCreateMeshを押してみて下さい.


メッシュが切れたら次は左のマテリアルからDefineを選びます.
このソフトでは材料があらかじめいくつか登録してあるため,その中から選んで[Add]→[Save]です.
ちなみに初期設定では単位系はSI単位[N,mm]です.応力は[N/mm^2]=[MPa]になります.



境界条件を設定します。ここが肝というか,最初の難関です.
まず最初に左下の[Loadcase]緑色のプラス印[Add]ボタンを押して荷重条件を新規作成します.
名前は何でも構いません.なお,現行のこのソフトのバージョンでは荷重条件は1個しか作れないようです.
次は[Apply Constrains]を押して境界条件の設定画面を出します.
モデルに黒い大きな点が表示されますが,これはメッシュの節点を表しています.ここに境界条件を設定します.



境界条件設定ウインドウでは左から右へ操作します.
まずは左のリストダウンから境界条件の種類を選び,ビューのモデルから節点を選択してApplyします.
接点を選択するにはCtrlを押しながら左クリックします.まとめて選択するにはShiftを押しながら左ボタンをドラッグします.
ビューをうまく切り替えて,所望の節点を選べるようにトライしてください.
図ではこのソフト特有のAngleを使った連続選択を利用して歯車円筒部にある節点を全て固定点に設定しています.
Angleとは隣の点までの角度のことで,10度だったら10度以下の平面にある隣接点が連鎖的に選択されます.
同一平面にある複数の節点を選択するときに便利な機能ですが,慣れないうちは一個一個選択しても構いません.


歯車の歯先に10Nの荷重を与え,歯にかかる応力などを調べます.図の例では歯車を横から見て頂点をエリア選択することで,
奥行き方向の全ての点を選択しています.


荷重は節点荷重のため,10Nを節点数7で割った値を一箇所の荷重として設定します.
はっきり言ってこのような計算はとても面倒です.
高価な商用ソフトならSolidベースなのでこういうわずらわしさは一切ありませんが,これはフリーソフトなので多少の手間はガマンです.
節点の設定を間違ってしまったら,左をDeleteに設定して間違った部分をもう一度選択してApplyを押すと消すことができます.


固定点が青,オレンジの点が荷重です.
Switchボタンで表示を切り替えてちゃんと設定できていることを確認できたら,[Save]を押して境界条件を確定させます.


準備が整ったので計算機のソルバーアイコンを押して解析します.
解析にはいろいろなアルゴリズムがあるようですが,今回はとりあえず[SORCG][ミーゼス応力][3×3 GausPoint]を選びます.
人が走っている[Run]ボタンを押すと解析が始まります.
このソフトはマルチコアCPUに対応しており,最近のPCであれば計算はあっという間に終わります.(ネットブックだと数分かかる!)
計算の進行はバックグラウンドにあるDos窓に表示されています.
このソフトでは陰解放による数値計算を行っているため,解が収束するまで何度も反復計算をしています.


解析が終了したらポストプロセッサを起動して結果を表示させます.
応力や変形をコンター図で見ることができます.
変形強調の機能があるので中央にあるスライダーをドラッグしてみてください.どういう変形をするかが直感的に分かると思います.


ここで気になる計算精度ですが,メッシュを十分小さくするか,No.16のメッシュを使えばソコソコ実用の値が出ます.
FEM解析では精度が悪い=変形や応力を過小評価する という傾向があるため絶対値を信用することはお勧めしません.
ただし,相対的な当たり付けには十分使えると思います.
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

もやね

Author:もやね
長野県在住の会社員(メカニカル・エンジニア).
ロボットは完全な趣味としてやってます.
E-mail:
mo_ya_ne[a]yahoo.co.jp
[a]⇒@

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
FC2カウンター
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。