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パラレルリンクの動力学

今週末は2軸プロッタの動力学を組み込むべく,PC側で数値解析ソフトを作成中.

2軸プロッタのモデルを下図に示す.




2個のモータでリンク1,およびリンク2を駆動する平行リンク型の構造.
多リンクロボットの運動方程式は一般に以下のように書ける.

ここで,M(θ)は慣性項,h(θ,θ')はコリオリ力,遠心力等の非線形項,g(θ)は重力項である.
τはトルクを表し,上記の式が求まればロボットを駆動するに必要な関節トルクを求めることができる.

今回の2軸ロボットでは最初の部分の慣性項Mは以下の2x2行列となる.

見た目ゴッチャリしているが,よく見ると行列の対角成分は似たような形をしている.
この式にはおもしろい特性がある.


上記赤枠の部分が各軸が独立して持っているイナーシャであり,ここにはsinやcosが付いてないことから定数である.
そして青枠の部分が多軸が相互に干渉する部分であり,ここはアーム角度の関数になっていることがわかる.
そして良く見ると,青枠の2つの式はまったく同じである.
ここで,青枠の式のcosの前の係数に着目し,以下が成り立つようにリンクの寸法や重量を調節したとする.

するとcosの前の項はゼロとなり,青枠項がゼロとなる.
このとき,ロボットは下図のように各軸が完全に独立したとみなせる.




またコリオリ力や遠心力などの非線形項は,次の式で求まる.

偏微分式なのでとっつきにくいが,要は慣性行列Mから上の式を使えばh(q,q')も求まる,ということを意味している.
(あるいはロボットの運動エネルギTがすでに求まっていれば,それを使っても良い)
実際に計算すると以下を得る.


ここでも慣性行列の青枠式と同じ係数(下線部)が出てきている.
よって係数をゼロにする条件を満たすと,h(q,q')=0となり,ロボットは非線形性を持たない独立した1慣性モデルと等価になる.
なお,鉛直方向に運動させるときは,重力項はゼロにはできない.

このように機械的に非線形項をゼロに調節できるのは平行リンク型ならではの特徴であり,
たとえば下図のような2リンク直列型マニピュレータではリンクの長さや重量をいかに選んでも非線形項はゼロにできない.


直列型では固定された根元から見た場合,駆動部1の先に駆動部2が付いているので駆動部2が動けば当然駆動部1にも力やモーメントが伝わってしまう.
一方でパラレル型は2つの駆動の幾何学的合力で動くため,うまいことやればこれらを切り離すことができる.
このような特性は逆動力学計算の負荷を大幅に減らせるため,使わない手は無い.
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オブザーバ制御,逆動力学制御

2軸プロッタを再稼働した.
目的はより高性能な加速度制御の可能性を探るため.

加速度制御には計算トルク法等の逆動力学を使う制御と,オブザーバ等の逆動力学を使わない制御がある.
いまのところ逆動力学はまだ実装できていないが,オブザーバは下図のように実装している.




オブザーバ制御の効果を動画にまとめた.


動画のように,オブザーバをONにすると2リンクを高速で動かしたときの非線形な動きの乱れが抑制される.
ただし,目標軌跡が非連続だと振動的になりやすいため,三角関数等の微分連続関数で補完した軌道を与えることが重要となる.
なお,実測加速度を分解能の低いエンコーダの2階微分から得ると,オブザーバの帯域が著しく狭くなってしまう.
このため高分解能のエンコーダを使うか,角加速度を高精度・高速で検出できる何らかのセンサを使うのが良い.
現状では角加速度を直接出力するセンサは存在しないようである.

オブザーバでは単純な一定慣性モデルから外れる挙動をフィードバックにより無理やりゼロに収束させようとする.
外乱も非線形項も全部まとめてフィードバックしてしまうため,ある意味力技的な制御手法といえる.
オブザーバを用いることは,制御すべきモータ軸のみに注視して,これをいかにロバストにするかという点に重きを置いている.つまりサーボをモジュールとしてできるだけ汎用化しようとする制御則とも言える.

しかし,一方でロボットは多数のリンクが連動する形を取るため,軸間の動的干渉も含めてシステム全体としてその正確なモデルが得られるならそれに越したことはない.
特に2軸,3軸程度の簡単な構造のロボットであれば,正確な逆モデルをフィードフォーワードするのが本来あるべき姿のはずである.
今後は2軸プロッタを逆動力学を使うシステムに改造して,その効果を確かめてみたいと思う.

アウトドア三昧

長野県は少しずつ,確実に寒くなってきている.
この時期は外でデバッグするのにも温度差が大きいため,車中デバッグが最適だ.
ということで近場の高原まで出かけてきた.

車はもちろんエンジン停止.太陽電池で電気を調達.



車中の様子はこういう感じ.いくらキャブバンと言えど狭い.



周りの様子.遠くに湖が見えたり,



牛がいたりとのんびりした雰囲気.



周りはどこを見ても山また山.



この高原公園は車で40分ぐらいで行けるところだが,ここでも標高1600m以上はある.
この場所はアウトドア・デバッグにはもってこいの場所だ.
車で行けて車どおりが少ない+自販機やトイレがある+景色抜群という絶好のロケーションである.
景色がいいので本当は外でデバッグしたかったが,この日は気温が低すぎた.
たとえ車中であっても,窓全開で長時間PC作業をすると手がかじかんでキーを打ちにくい.
簡易テントとか,携帯ストーブみたいなのがないとこれからは厳しいかもしれない.


プロフィール

もやね

Author:もやね
長野県在住の会社員(メカニカル・エンジニア).
ロボットは完全な趣味としてやってます.
E-mail:
mo_ya_ne[a]yahoo.co.jp
[a]⇒@

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