OPアンプでトラブル
今週はOPアンプを使った電流検出回路をやっている.
図のような単純な回路で電流センサの信号をリファレンスと共に伝送し,差動アンプでシングルエンドに変換する.
途中の伝送路で入ってくる同相ノイズの除去が狙いだ.
マイコンのADCで差を取ってもそれなりのノイズ除去効果はあるが,このようにアナログ回路で差を取った方がより劇的に効果が上がるんじゃないかと期待した.
OPアンプを使うメリットは他にもいくつかある.
①インピーダンス変換器として使える
最近の高速SAR型-ADCではサンプリング用キャパシタのチャージ時間を短縮するために低い信号インピーダンスを要求することが多い.
RXのADCでは1MSPSを実現するために1kΩ以下を推奨している.ACS714出力インピーダンスは4.7kなので,OPアンプ(LT1167)で数百Ωに下げてから入力する.
②マイコンのソフトウェア負荷軽減
ADCで差を取ったり,スパイクエッジを避けたりする処理を省き,浮いたCPUリソースでLPF等の信号処理を行うことでさらに精度UP!
しかし,予想どおり問題が発生した.
秋月電子で買った計装アンプのノイズ除去能力は期待どおりだったが,それ以外に何やら妙な波形が出力される.(上段の黄色の波形.下段青いほうは入力信号.)
図のように,激しいノイズが入った直後に低周波の「うねり」のような波形ができてしまう.
これではマイコン側で「うねり」を取り除かなければならず,処理がものすごく大変になる.
「うねり」は弱いノイズだと出ないこともあるし,OPアンプの速度不足だろうか?
アナログ音痴の自分には,なんでこういうことになるのか皆目見当が付かない・・・
こういうときは手で考えるのが一番だ.
図のような単純な回路で電流センサの信号をリファレンスと共に伝送し,差動アンプでシングルエンドに変換する.
途中の伝送路で入ってくる同相ノイズの除去が狙いだ.
マイコンのADCで差を取ってもそれなりのノイズ除去効果はあるが,このようにアナログ回路で差を取った方がより劇的に効果が上がるんじゃないかと期待した.
OPアンプを使うメリットは他にもいくつかある.
①インピーダンス変換器として使える
最近の高速SAR型-ADCではサンプリング用キャパシタのチャージ時間を短縮するために低い信号インピーダンスを要求することが多い.
RXのADCでは1MSPSを実現するために1kΩ以下を推奨している.ACS714出力インピーダンスは4.7kなので,OPアンプ(LT1167)で数百Ωに下げてから入力する.
②マイコンのソフトウェア負荷軽減
ADCで差を取ったり,スパイクエッジを避けたりする処理を省き,浮いたCPUリソースでLPF等の信号処理を行うことでさらに精度UP!
しかし,予想どおり問題が発生した.
秋月電子で買った計装アンプのノイズ除去能力は期待どおりだったが,それ以外に何やら妙な波形が出力される.(上段の黄色の波形.下段青いほうは入力信号.)
図のように,激しいノイズが入った直後に低周波の「うねり」のような波形ができてしまう.
これではマイコン側で「うねり」を取り除かなければならず,処理がものすごく大変になる.
「うねり」は弱いノイズだと出ないこともあるし,OPアンプの速度不足だろうか?
アナログ音痴の自分には,なんでこういうことになるのか皆目見当が付かない・・・
こういうときは手で考えるのが一番だ.
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この記事へのコメント
通りすがりさんこんばんは.いつもご覧頂きありがとうございます.
A/D変換の電源に関しては,センサにレシオメトリック出力のものをできるだけ使い,Avccとセンサ電源をできるだけ近い位置に配置することを心がけています.
要は「揺れで揺れを制する」作戦です.
A/D-2CHで差分を取るのは私もやってみましたが,確かに効果があります.
ただし,同時変換,同時ホールドが必要なのと,サンプリング周期が結構シビア(電流フィードバック48kHz)のため,前段に計装オペアンプを置き,A/D変換器の負荷を減らす発想に至りました.
余談ですが,電圧の差動伝送以外にも,計装系でやられている電流伝送
http://www.tij.co.jp/product/jp/xtr111
なんかもいいかもしれませんね.専用ICもあるみたいなので.
こんごもごひいきに.
A/D変換の電源に関しては,センサにレシオメトリック出力のものをできるだけ使い,Avccとセンサ電源をできるだけ近い位置に配置することを心がけています.
要は「揺れで揺れを制する」作戦です.
A/D-2CHで差分を取るのは私もやってみましたが,確かに効果があります.
ただし,同時変換,同時ホールドが必要なのと,サンプリング周期が結構シビア(電流フィードバック48kHz)のため,前段に計装オペアンプを置き,A/D変換器の負荷を減らす発想に至りました.
余談ですが,電圧の差動伝送以外にも,計装系でやられている電流伝送
http://www.tij.co.jp/product/jp/xtr111
なんかもいいかもしれませんね.専用ICもあるみたいなので.
こんごもごひいきに.
なるほど、出力電圧と電源電圧の比を守るようにA/D入力まで持っていくのですね。回路図を見ながらお返事読ませて頂いて理解しました。
RX62Tの12ビットA/Dについているゲインアンプを使ってIC削減も狙ったんですが、仕様書を見直したら、RX62Tは4chのうち3chしかサンプルホールドが無いですね…やばいかもです(20kHzくらいでやれたらいいなと思ってます)。
A/Dに関しては、Σ-Δ変換した値をそのまま(デジタルのまま)出してくるICが出てきているので、そういうのを採用していった方が、回路はつまらないものになっていくんでしょうけど、アナログ音痴な私にはノイズ拾ったりしなくて楽かなと思って動向を探ってます。
また教えてください。ありがとうございました。
RX62Tの12ビットA/Dについているゲインアンプを使ってIC削減も狙ったんですが、仕様書を見直したら、RX62Tは4chのうち3chしかサンプルホールドが無いですね…やばいかもです(20kHzくらいでやれたらいいなと思ってます)。
A/Dに関しては、Σ-Δ変換した値をそのまま(デジタルのまま)出してくるICが出てきているので、そういうのを採用していった方が、回路はつまらないものになっていくんでしょうけど、アナログ音痴な私にはノイズ拾ったりしなくて楽かなと思って動向を探ってます。
また教えてください。ありがとうございました。
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電流検出 - 通りすがり - 2012年05月09日 21:03:31
私もちょっと電流検出がありまして、差動電圧でCPUの傍まで持ってきたのですが、シングルエンドにせずに、差動電圧それぞれをA/Dにかけることにしました(マイコンのピン数が余ってないと厳しいですが)。
シングルエンドの場合、A/D変換ユニットの電源電圧の変化が影響でないようにするのが難しくないですか?(電源電圧が5Vのときと、5.1Vのときで、同じ2Vを測定してもA/D変換の結果の値が変わってくるという意味です)。
2ピン必要ですが、ソフトで差をとった方が良いと私は判断しました。なんとなくですが、ゲイン誤差より、ゼロ点がずれる方が問題があると思ったので。
乱文すみません。管理人さんの結果もまた教えてもらえると嬉しいです。
これからもがんばって下さい。